第37回 カンとヒラメキ
商業施設新聞 2017年10月17日(火)掲載
最近開発の現場で次のような事例が結構多く見られる。
現空き案件、リニューアル案件それらに限らず、定借満了に伴う次テナント案件等など様々な案件について、デベ担当者からは経済条件、希望業種あんなテナント・こんなテナント…いろいろな要望が出てくる。
それに対して我が社担当者も意見を述べ出来るだけ希望に沿うようなテナントのリストアップの提案を図り、それぞれが知恵を絞って、優先順位を決めテナントへの出店勧誘即ちリーシングにとりかかる。
出店候補テナントにとってはいろんな角度からの調査検討に入るが、案件の良し悪し、主に立地、そして経済条件が決定の大きな要素になるのは否めない事実である。
ここまではごくごく当たり前のプロセスであるが、問題はここからである。
各種条件交渉などをクリアし、テナントが出店希望の意思表示をし、社判を押した『出店申込書』を、その後決算書とか必要書類を含めデベ担当者に提出すると『前向きに検討いたしますのでしばらくお待ちください!』との心地良い返事が…。
ところが何を手間取っているのか?なかなか返事が来ないことが結構多いのである。
稟議に時間がかかっているのか、それともこのテナントで良いのだろうか、はたまた与信の調査をしているのか…テナントからは『一体どうなってますか?』などとせかされる事もあり、しびれを切らして問い合わせをしても、のらりくらりで皆目見当がつかない。
勿論デべにはデべの事情?があり『出店申込書』を出したからと言って、それらの提案が全て必ず通るとは限らないのは百も承知だが、それにしても『決定までの時間がかかりすぎる!』往々にして言えることは、この様な場合最終的に『残念ながら…』となることが多いのである。
全く逆の例、即ちテナントがあれやこれやと頭を悩ましているのか?返答が遅くデベがシビレを切らししまう事も少なからず見受けられる。
それぞれの立場に立つと『出店開発の重要性』だと理解も出来るが、交渉事や返答が長引いてうまくいった試しがないし、ましてや今の時代『期限とスピード』を忘れてはいけないのだと思うのだが。
どんなに調査検討をしても失敗する時はするだろうし、最終的には『カンとヒラメキ』
の世界になってくるのだろうか?