株式会社ジェイ・プラン

COLUMN
だから開発はオモシロイ

第36回 変化と進化

商業施設新聞 2017年9月19日(火)掲載

『開発』にまつわるアレコレを書き始め今回で36回目となる。という事はまる3年、開発にとって流通業界そしてSC業界抜きには考えられず、この3年間で様々な変化や進化があった。

なかでもEコマースと言われるスマホやPCからの消費が一般化しこの3年間で20%近くの伸び率があり今後もその勢いは落ちることはないだろう、それに対してSCでの伸びは約5%だ。リアル店舗の売上に少なからず影響を及ぼしているのは否めない事実である。

この様な消費経済社会においてもSCの新規オープンが毎年50位増え続けているが、更に既存SCにおいてはリニューアルが各地で行われ、と同時に退店による空き区画の増加に対応すべくテナント誘致による争奪戦が、水面下で激しく動いている現状。あるデべにとってはそれらを開発担当する部署が人員不足で追いつかず深刻な問題となっている。

一方テナントにとっても同じように人員募集をしても思うように応募者が集まらず人手不足問題が顕在化している。特に飲食業界にとっては外国人労働者抜きには考えられなくなってきているようだ。

又全国各地のSCにおいて特出されるのはファッションを中心とした売上の伸びが鈍化し、替わって雑貨及び飲食・食品・サービスが好調だという。

資本主義の経済社会においては留まる事を良しとせず前に進もうとするのが宿命と言えばそれまでであるが、全国各地での開発計画は目白押しである。

消費者の可処分所得はさほど増えず、全国的に売り場面積ばかりが毎年毎年増え続けている現実。その一方では競争に敗れていく店、企業は静かにマーケットから撤退せざるを得ない、百貨店やGMS等大型店の撤退も例外ではない。撤退はしないまでも将来への見通しがつかず不安を感じながらもやらざるを得ないという例も多いのではないかと思う。

これら時代の流れに逆らって生きていく事は出来ないが、いずれにしても企業の拡大戦略に欠かせない『開発』というテーマを考えた場合担当者にとって変化・進化に対応しどう生きていくかが大きな課題となり、その力量が試されるはずである。

あらためて十年一昔という言葉が死語になりつつある今、時代はそれだけスピード化し、変化・進化しているのである。

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