第25回 出店開発に王道はない
商業施設新聞 2016年10月18日(火)掲載
地元路面店舗でアクセサリーショップを営業しているのだが、続くもう1店舗を『是非とも近くの△△モールに出店したい!』とか『今マッサージ店に勤めていて近いうちに新規独立開業をしたいのですが、◇◇駅ビルに空き区画ありませんか?』はたまた首都圏近郊で今3店舗やっているのだが、『次は都心の1等地で商売してみたい…』この様に最近我が社のHPに『どうしたら駅ビルとかSCに出店できますか?』等の問い合わせが増えてきている。
多くの人が、事業者がそれぞれの理由・思惑で挑戦しようとしている。それらの問い合わせに対してできる限りの対応をし、少しでも力になれればと思うのである。
最近は出店の仕方にもいろいろ見受けられる。『居抜きでなければ出店しない』とし内装設備その他を既存店から無償で譲り受け、コストをかけず低予算出店を第一戦略にしている企業もある。
ここにきて増えているのが、同業種のみならず異業種に対しての『M&Aによる出店拡大』この場合は異業種への進出も可能となり、人材と時間的コストが一度に確保でき事業拡大の有効な手段となっている。
以上の例に限らず、大手とか新興テナントにおいても出店意欲は旺盛な一面が垣間見られるが、今の時代大切なのは先ず何よりも、
➀『自分の足元』をしっかり見極めた上での判断力・価値観が必要になってくる。
『自分の足元』とは資金力・人材力などの自己分析である。往々にして自分を過大評価したがるのがヒトという動物である。
②そして次に来るのがMD力。即ち競合他店と戦っても勝っていけるだけの差別化が出来ているか?同業他店にないプラスワンの強みがあるか?である。
③そして時代の流れを踏まえ、更に将来を見据えた上での自店分析力と戦略立案も必要となるであろう。
いずれにしても➀②③の順序は別として、
店舗・会社にとって出店・開発は最重要な意思決定であり、それには普段からの地道な努力と情報力、それをとれる人間力が試されるのであり、どの様な手段をとろうが『出店開発に王道はないのである!』一歩間違うと、とんでもない方向に進んでしまうこともあるが…かといって虎の穴に入らなければ虎子を得られないという古い諺も時には…である。