第16回 今年はどうする?
商業施設新聞 2016年1月19日(火)掲載
日本ショッピングセンター協会が昨年暮に
発表した記事によると、昨年新規オープンしたSCの店舗数は60施設で合計3202になり、そして今年は約50施設の開業予定があるという。
いくら外国人の爆買いの恩恵があるとはいえそれは限られたごく一部のみで、国内の一般消費は増えることなく、更に来年4月からは消費税のアップがある。
この様な経済環境下でSC間の競争は益々激化することは目に見えている。単にSC間の競争というより『地域間の競争』も各地で起きている。
昨年閉鎖したSCは27施設だというが、果たして今年はどうなるのであろうか?
と同時に競争力を失い老朽化・陳腐化してしまい、時代の変化に対応すべくの『リニューアル』も数多くあり又リニューアルという名の単なる『テナント穴埋め』をせざるを得ないSC=空洞化は数知れなく日常化している。
これはデベに限ったことではなく『テナント』にも同じことが言える。
希望をもって新規開店しても計算通りいくとは限らない。
テナントにとって更に深刻なのは『人手不足問題』である。いくら募集広告を出しても応募者がなく出店を断念した例もいくつか見ている。と同時に既存店においても何らかの理由で店長が辞めざるを得なくなり止むを得ず、ろくに店長教育もされてない就業歴の浅い、名ばかりの『押し出され店長』に任すしかなく、その結果は目に見えている。店は『店長次第』なのにである。
デべがテナント導入時に『御社の人材育成計画・教育はどの様に行っていますか?』と聞いてみるのも大変重要なのではないかと思う。
いずれにしても大きな時代の変化に逆らうことはできず、その中でそれぞれの開発担当者としての力量が問われることになる。
テナントの開発担当者にとって、会社目標の『本年度は何店出店』の号令に惑わされることなく確実に『売れる店=利益の取れる店』
をどれだけ開発できるか?
デべのテナント開発担当者としてすべき事は以下の2点。
徹底的なマーケット調査をし、今自分のSCにかけているのは何か?を見出す事、そして忘れてならないのは『競合他店との差別化』。
…とここまで当り前の事をいろいろと記してきたが書くのは簡単、理想と現実はなかなか一致しないのが世の常、決して一筋縄では行かないけれど、原点に戻って『継続していけば必ず!』を信じて輝く平成28年にして欲しいと思うのです。